WASPの魅力とは | 2030年にはペレット方式3Dプリンターの市場規模は2920万ドルに

ペレット方式3Dプリンターは、2030年までに世界市場規模が2920万ドル(約46億)に達すると予想されており、自動車や航空宇宙、医療、消費財、教育機関、ファッションなど、さまざまな業界で使用されています。3Dプリンターで主に使用されているフィラメント材料と比較すると、ペレット材料は汎用性が高くコスト効率に優れており、さらに廃棄物とエネルギー消費を最小限に抑えることを可能にし、持続可能なものづくりを実現します。

本ブログでは、3DPCが取り扱っているWASP社のペレット方式3Dプリンターの特徴や活用事例などをご紹介いたします。

1. 「WASP」とは

WASPは、イタリアに拠点を置く3Dプリンターのメーカーで、2012年から3Dプリンターの設計・製造・販売を行っています。「We're Dreamers We're Makers: We Start From 3D Printing To Save The World」というミッションを掲げるWASP社は、コンクリートやクレイ、クレーン、ペレットなど幅広い用途に対応できる3Dプリンターを開発しており、家、アート・文化、エネルギー、健康、食をテーマに、さまざまなプロジェクトを展開しています。

今回ご紹介していくWASP社のぺレット方式3Dプリンターは、ペレットから直接部品の製造が可能で、廃プラスチックや海洋ごみなどから新しいものを造形した実績がある、環境に優しい3Dプリンターです。ペレットを使用するため低コストで造形が可能となり、さらに使用できる材料も多いため、製造業や研究、材料開発をはじめ、アート、自動車、家具など幅広い分野で活用でき、またリサイクルやSDGsの取り組みに最適です。

3DPCでは、同社ペレット方式3Dプリンター「WASP 4070 HDP」「WASP 60100 HDP」「WASP 3MT HDP」(以下「WASP」)の3種類を取り扱っています。

3DPC工場にて、左から「WASP 4070 HDP」「WASP 60100 HDP」

なお、3DPC工場では、具体的なイメージが持てるように、ご紹介したペレット方式3Dプリンターおよび同製品の造形品などを見て触ることができる工場見学を開催しております。ご興味のある方は是非お申込みください。

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2. ペレット方式3Dプリンター「WASP」の特徴

前回のブログ「3Dプリンターで樹脂ペレットを活用するメリットと使用できる材料一覧」では、樹脂ペレットを3Dプリンターで活用するメリットとして、「材料費が安い」「多様な材料が利用可能」「リサイクル材料が使える」「大型造形に最適」の4点を挙げました。

実際に、ペレット方式3Dプリンター「WASP」を日々活用している3DPCのエンジニアチームに、「WASP」の特徴について聞いてみました。

「WASPは高温(500°)での造形が可能で、耐熱性や耐薬品性が求められる材料に適応します。特に材料に縛りがないため、安価で手に入る材料を使用でき、さらにネットで購入可能な材料も使用できたりと材料の入手先が幅広いです。コスト効率や材料の多様性、大型造形において優れており大量生産や大型造形などにおいて非常に経済的です。

また、デルタ式の仕様になっているため、軽量なエフェクタと効率的な運動機構を持っており、高速プリントかつ高さのある造形物を安定して造形することができます。より無駄な部品がなくスマートな構造となっているためメンテナンスが非常に簡単で、プリンター本体の初期導入コストも他社製と比較して格段に抑えられています。

通常、ペレット方式3Dプリンターは、ペレットが詰まることが懸念点として挙げられますが、WASPはホッパー振動機能によって材料が均一に供給されるため、材料が詰まることなくスムーズにフィーダーに流れ込みます。

さらに、一度に複数の部品を造形する場合や、プリントヘッドが移動する際に、ノズルから材料が垂れてくることも想定されます。そこでWASPは、リトラクション機能を採用しているため、プリントヘッドの移動中の糸引きを防ぎ、部品の品質を維持します。大型造形の場合、反りや変形などのリスクが発生しますが、WASPではバキュームベッド機能が搭載されているため、材料がベッドに密着しヒートベッドからの熱が均一に伝わり、材料の収縮や反りを防ぐことができます。」

実際に製品をご覧になりたい方は、是非工場見学へお越しください!

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3. ペレット方式3Dプリンター「WASP」の活用事例

様々な業界で活躍しているWASPですが、今回は医療分野に絞って活用事例をご紹介いたします。

WASP社は、イタリアで開催されたヘルスケアの展示会「Exposanita 2024」にて、個々のニーズに合わせた医療機器の開発がいかに重要かを紹介しました。

・PLAとTPUを使用した義肢装具製作

WASP社とProcosil社は、PLAとTPUを使用して、健康な手足と見た目も機能もほぼ同じ、足のモデルを製作しました。患者1人1人に対し高度なカスタマイズが可能で、さらに日常的に快適に装着できる義肢装具が製作できます。

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・PETGを使用した、階段昇降を可能にした車いす

耐久性と適応性に優れた熱可塑性ポリエステル(PETG)を使用し製造された車いすは、生後4ヶ月から4歳までのお子様をサポートするよう設計されており、成長と発達のニーズに対応します。軽量で通気性と抗菌性に優れた素材を使用したこの製品は、保護者にとって扱いやすく、さらに子どもにとって快適で汗を最小限に抑えるため、衛生的です。

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上記以外にも、「アンチグラビティ・ブレース」※1 と呼ばれる、体重を問題のある部分から分散させ、脊椎への負荷を軽減することで胴体と脊椎をサポートするように設計された製品もございます。材料はPPを使用。

Anti-gravity-brace-ortopedia-3D-4070-ZX-PP

Leg-brace-Ortopedia-Pessina-4070-ZX
負傷した脚や追加サポートが必要な脚のサポート「レッグブレース」| PP使用

Orthopedic-seat-WASP-60100-HDP-TPE
TPE製、整形外科用のクッション

4. ペレット方式3Dプリンター「WASP」の優位性とは

他社製品と比較した場合のWASPの特徴は下記の通りです。

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