樹脂３Dプリンター
February 28, 2025
『Heron AM』ローンチイベント開催レポート
Caracol社のロボットアーム式大型ペレット3Dプリンター「Heron AM」のローンチイベントを開催しました。全国各地の様々な業種の企業様にご参加いただき、盛り上がるイベントとなりました。今回の記事では本イベントのレポートをお届けします。
樹脂３Dプリンター
February 12, 2025
大型積層造形（LFAM）は、従来の3Dプリント技術を大規模化した先進的な3Dプリント方法です。本記事では、LFAMのメリット・デメリットやおすすめの大型3Dプリンター、信頼できる専門業者について詳しく紹介します。
大型積層造形（LFAM）は、従来の3Dプリント技術を大規模化した先進的な3Dプリント方法です。大型の造形物をプリント可能であり、さまざまな用途にも対応できるので「自社の製品開発に導入したい」「どんなメリット・デメリットがあるのか知りたい」という方も多いでしょう。
そこで本記事では、LFAMのメリット・デメリットやおすすめの大型3Dプリンター、信頼できる専門業者について詳しく紹介します。自社での導入や外注を検討する際の参考として、ぜひご覧ください。
大型積層造形（LFAM）とは、「Large Format Additive Manufacturing」の略称で、従来の3Dプリント技術を大規模化した最先端の製造方法です。
LFAMは、デジタル設計に基づいて層ごとに材料を堆積させ、建築部品全体や車両部品、さらには航空機の構造部品など、大型コンポーネントを一体成形できるのが最大の特徴です。さらに、小型造形物の同時造形も可能で、幅広い用途にも対応できます。
また、最新のLFAM技術では、アディティブとサブトラクティブ製造プロセスを組み合わせることで、材料の無駄を減らして生産効率を向上できるのも魅力です。
LFAMは、エンプラ素材やカーボンファイバーを含む高強度・耐熱性素材に対応し、従来の手作業では難しかった大型部品の効率的な製造を可能にします。また、内部が空洞の構造や、従来の方法では開けられない穴を持つ部品の製造も可能。必要な分だけ材料を使用するため無駄が少ないのもメリットです。もちろん、金型が不要なので少量生産にも向いています。
最新の用途としては、船体の一体製造やヨットのエアグリッドなど、複雑でカスタマイズされた製品の製造に使用されています。
LFAMでは、大型の3Dプリンタを使用するため、高額な初期導入コストと広大な設置スペースが必要です。また、最新技術である分、専門的な技術や知識も要します。そのほか、3Dプリンターで1つずつ造形することになるため、20cmの造形物を作るのに10時間以上かかる場合もあり、効率的な大量生産は難しいでしょう。使用する材料によっては、層と層の結合が弱くなり、製品全体の強度が低下する可能性がある点にも注意が必要です。
LFAMでの3Dプリントには、最適なプリンター選びが不可欠です。市場に存在する多様な大型3Dプリンターの中から、産業用途に最適な5機種を厳選して紹介します。
Heron AMは、イタリアに拠点をおくCaracol社が提供するロボットアーム式の大型樹脂3Dプリンターです。
6軸以上の柔軟な方向に動くアームによって、複雑形状の大型部品を効率的に製造できます。材料供給やプリントベッドの交換が自動化されており、効率的な生産が可能な点も魅力です。また、ポリプロピレンなどの一般的な樹脂素材はもちろん、複合材料やリサイクル素材など、幅広い素材に対応しているのも魅力。大型の家具やヨットの製造など、さまざまな用途で活用されています。
造形サイズ：4000 x 4000 x 3000 mm（搭載するロボットアームによって変動）
価格：お問い合わせください
次世代金属3Dプリンター「Meltio Robot Cell」も大型積層造形（LFAM）に対応しています。
金属3Dプリンターに必要な全ての設備を一体化した画期的な3Dプリンターで、導入にあたって煩雑な設計や準備、セキュリティ対策、配線工事などは不要。設置後すぐに部品製造を開始できます。中核となるMeltio Engine Robotは、1mを超える大型部品の造形、修理、そして鍛造品に匹敵する強度を持つクラッディング処理に対応。製造時間とコストを大幅に削減します。材料には金属ワイヤーを使用し、SKD材を用いた金型補修や全自動溶接機としての活用も可能。特に溶接工不足が深刻な製造業にとって、生産性向上に貢献するソリューションとして期待されています。
造形サイズ：1000 x 1000 x 1000mm
価格：お問い合わせください
LC Titanは、造形サイズと生産性を両立した革新的3Dプリンターです。
LCD方式3Dプリンターとして世界最大級の700 x 395 x 1200 mmの造形サイズを誇り、義肢や大型部品の製造に新たな可能性をもたらします。材料切れによる造形不良を防ぐ自動充填システムを搭載し、エンジニアの負担を軽減。さらに、独自のLCDスクリーン技術により、広範囲を均一かつ高解像度で露光し、高速造形をサポートします。試作品製作から量産まで幅広く対応し、特に射出成型金型などの大型部品製造や、義肢のカスタム製造に最適です。
造形サイズ： 700 x 395 x 1200 mm
価格：お問い合わせください
WASP 3MT HDPは、ペレット状の材料を直接使用する大型のペレット方式3Dプリンターです。
直径1m、高さ1mの大型部品や製品を造形可能で、汎用プラスチックに加え、リサイクル材や海洋プラスチックごみなど、多様な材料に対応します。材料の押し出しを制御するリトラクション機能を搭載し、材料漏れを防ぎ、安定した造形品質を実現。製造業や研究開発、教育機関、アート分野、家具製造など幅広い分野での活用が期待され、リサイクルやSDGsの取り組みにも貢献します。
造形サイズ：1000 x 1000 mm
価格：お問い合わせください
Markforged FX10は、インダストリアルシリーズの中でも特に高性能で、製造現場に最適化されたMarkforged社最新の3Dプリンターです。強靭で耐久性の高い部品の製造を目的として設計されており、カーボンファイバー強化複合材料や高温エンジニアリングポリマーに対応し、大型で複雑な部品も精密かつ安定して製造可能です。FX10は、試作品から最終製品まで、優れた品質でコスト効率の高い製造を提供します。
造形サイズ：375 x 300 x 300 mm
価格：お問い合わせください
3Dプリンターの自社導入が難しい場合は、外注するのも一つの手です。ここでは、大型積層造形（LFAM）の専門技術を持つ、信頼性の高い加工業者を紹介します。
3DPCでは、約20種類の最先端3Dプリンター、フィラメント製造機、表面処理装置を取り揃え、素材や用途に応じて最適な機器をご提案しています。試作から量産、最終製品まで対応可能な幅広いラインアップで、部品の高付加価値化、納期短縮、コスト削減を実現。さらに、機器の導入をスムーズに進めるため、専門スタッフによる実践的なトレーニングもご用意。加えて、機器のレンタルサービスや材料開発も行っており、用途に合わせた最適なソリューションをご提供しています。
金属技研株式会社は、金属3D造形技術を専門とする企業です。航空宇宙・医療・自動車など幅広い産業向けに、高品質な金属部品を提供しています。最新の大型金属3Dプリンター設備を有しており、複雑な形状の大型金属部品製造に強みがあります。
株式会社J・3Dは、樹脂および金属の3D造形サービスを提供する専門企業です。大型3Dプリンター設備を保有し、建築模型から産業用大型部品まで幅広い製品の製造が可能です。高度な技術力と豊富な経験を活かし、顧客ニーズに合わせたカスタマイズサービスを提供しています。
大型積層造形（LFAM）に関してよくある質問を紹介します。
大型3Dプリンターの導入費用は、機種や性能によって大きく異なりますが、50万円から1億円以上の範囲です。ただし、「ものづくり補助金」や「中小企業経営強化税制」などの政府支援制度を利用することで、初期投資の負担を大幅に軽減できる場合があります。
大型積層造形では、建築部品や車両部品、航空機の構造部品や船舶部品など、さまざまな大型製品を製造できます。複雑な形状や中空構造の部品、カスタマイズされた一点ものや少量生産にも対応可能です。また、大型の試作品や展示用フィギュア、産業用治具の製作にも適しており、最終製品を直接製造することもできます。
大型3Dプリンターでは、樹脂や金属、セラミックスなどの材料を使用可能です。中には、「Heron AM」のように海洋ゴミや廃プラスチックのリサイクル材を使用できる機種もあります。なお、使用する材料は、耐熱性や強度、軽量性など、製品の用途や要求される性能に応じて選びましょう。
大型積層造形（LFAM）技術は、大規模部品の一体成形や複雑な形状の製造を可能にし、航空宇宙、自動車、建築など幅広い分野で活用されています。しかし、大型3Dプリンターの導入には、多額の投資が必要な点や技術的な課題があります。自社での導入を検討する際は、適用可能な材料や強度などを考慮し、ニーズに合った機器を選定することが重要です。
一方、外注の場合は、複数の業者の見積もりや評判を比較し、対応素材や納期、精度などを比較することをおすすめします。
自社に合ったプリンターや専門業者を見つけることで、理想の製品製造を実現できるでしょう。
