3Dプリント部品を滑らかに仕上げる!表面処理方法とは?
表面処理装置
February 12, 2025
表面処理装置とは加工後の金属や樹脂の表面処理に使用する装置です。 さまざまな種類があるため製品や用途に応じたものを選ぶ必要があります。 今回の記事では表面処理装置の概要とともに、表面処理の種類ごとの特徴を紹介します。
今回の記事では、表面処理装置の概要とともに、表面処理の種類ごとの特徴を紹介します。3Dプリントにおすすめの表面処理装置についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
表面処理装置とは、表面処理を行うための機械のことです。表面処理とは、主に加工後の金属や樹脂などの素材表面へ行う処理のことを指します。表面処理が行われる主な目的は、以下の通りです。
なお、表面処理と似た言葉に「表面改質」というものがありますが、両者は以下のように異なる意味を持ちます。
3Dプリントでは、素材を積み重ねて造形を行うため、表面に積層痕が残るのが特徴です。積層痕が残ったままの状態は表面がざらざらしているので、そのままでは造形物の品質は決して高くありません。そのため、3Dプリント後の造形物の表面品質を向上させるために、表面処理が必須となるのです。
表面処理にはいくつかの種類があります。それぞれの処理の特徴について、以下で詳しく見ていきましょう。
溶剤処理とは、溶剤で表面を溶かして滑らかに仕上げる処理方法です。溶剤を使用するタイミングは、用途に応じて以下に分かれます。
溶剤処理では造形物の表面すべてを処理できるため、作業効率が高く細部まで平滑化が可能です。
ただし、不必要なところまで処理してしまうなど、溶解のために造形物が変形する可能性が高い点はデメリットといえます。また、処理に使用する溶剤の取り扱いには注意が必要です。
研磨処理は、サンドペーパー(紙やすり)や研磨材(サンダー)などの研磨布紙を使って表面を滑らかにする処理方法です。
研磨表面に毛羽立ちや白化現象が発生するため、光沢を出すなどの高品質の表面に仕上げることはできません。ただし、3Dプリント造形物専用の研磨剤を使用することで高精度の表面に仕上げられます。
コロナ処理とは、コロナ放電によって発生したプラズマを当て、表面を処理をする方法です。
水溶性の材料を塗布する前処理として表面の疎水性を親水性に変えたり、有機物を洗浄除去したりといった目的で活用されています。処理自体が簡単にできるため、表面面積の大きなものや、コスト重視での表面処理に向いています。
紫外線処理は、紫外線の特性を利用して、有機汚染物の分解とオゾンと活性酸素による分解物の除去を同時に行う処理方法です。
主に、低圧水銀ランプから照射される185nm波長と254nm波長の紫外線を照射して行います。ガラスやプラスチック樹脂、金属と幅広い材料に使用でき、製造物にダメージを与えないのも特徴です。
フレーム処理は、燃焼ガスと空気の混合ガスを燃やして空気中の酸素をプラズマ化することで、表面を処理する方法です。
疎水性の表層を親水性の性質に変えたり、有機物を洗浄除去したりといった効果が得られます。コロナ処理やプラズマ処理よりもスピーディに表面処理ができる、効率性と生産性にすぐれた処理方法です。
プラズマ処理は、1対の電極へ流した窒素や希ガスに、高周波・高電圧を加えてプラズマを発生させた状態で、対象物にガスを当てて表面を処理する方法です。
コロナ処理やフレーム処理と同様、表面の疎水性を親水性に変えたり、有機物を洗浄除去したりする目的で行われます。プラスチック樹脂やガラス、金属、フィルムなどの幅広い材料に適用可能です。
なお、プラズマ処理は発生させるプラズマにより、以下の2種類に分かれます。
AMT社の「PostPro SFX」は、3Dプリント造形物におすすめの表面処理装置です。最大11Lの卓上型コンパクトサイズながら、高品質な表面処理を行うことができます。
以下では、「PostPro SFX」の特徴やメリットについて、詳しく見ていきましょう。
Vapor Smoothing技術とは、蒸発した溶剤を使用して部品の表面を滑らかにする技術です。AMT社は6年にわたりこの技術の研究を行い、3つの特許も取得しています。
Vapor Smoothing技術は、以下のような高品質の仕上がりを実現可能にします。
「PostPro SFX」は、FDA認証を受けた溶剤であるPostPro Pureを使用しています。FDA認証とは、日米両国において薬機法や食品衛生法に違反していない、適正な商品であることを許可した証です。
「PostPro SFX」は、セットアップが簡単ですぐに使用できる、ユーザーフレンドリーな設計も特徴です。
独自ソフトウェアである「TUP Lite」を搭載しており、部品の厚さや、処理エリアの充填レベル、部品の特性を入力するだけで、処理に必要な設定を自動で最適化してくれます。従来モデルで行っていた手作業による入力は不要となり、より迅速かつ効率的に処理が可能です。
また、消耗品の交換も従来モデルよりも容易に行えるようになりました。操作に必要な知識も少ないため、導入後もスムーズな稼働・運用に期待できるでしょう。
「PostPro SFX」は、現在5種類の材料に対応していますが、今後も対応できる材料は追加される予定です。
本記事では、表面処理の概要や種類ごとの特徴、おすすめの表面処理装置を紹介しました。表面処理は材料特性の向上や見た目の改善といった面で、非常に重要な工程です。特に3Dプリントによる造形物にとって、表面処理は必須といえるでしょう。
3Dプリント向けの表面処理装置としては、AMT社の「PostPro SFX」がおすすめです。ほかの装置と比べるとコンパクトで導入のハードルも低いため、導入を検討している方はぜひ一度お問い合わせください。
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