表面処理装置

March 7, 2025

3Dプリント部品を滑らかに仕上げる!表面処理方法とは?

3Dプリント部品の後処理の有無は部品の最終的な仕上がりや強度、耐久性、外観、さらには機械的特性に大きく影響を与えます。 本記事では具体的な表面処理の方法やその利点について解説します。

3Dプリント部品の後処理は非常に重要です。加工の有無は部品の最終的な仕上がりや強度、耐久性、外観、さらには機械的特性に大きく影響を与えます。

本記事では、「3Dプリント部品の表面処理」に焦点をあて、具体的な方法やその利点について解説します。さらに、最先端技術のVapor Smoothing(べーパースムージング)技術もご紹介します。3Dプリント部品の品質の向上方法を知りたい方はぜひこの記事を参考にしてください!

1.表面処理とは何か?後処理の重要性

表面処理とは、3Dプリントが終わった後に行う仕上げ工程のことで、部品の外観や性能を改善する手法です。この工程により、次のようなメリットを得ることができます。

  • 滑らかな仕上がり:層が目立つ荒い表面をなめらかにし、見た目をより均一化。
  • 強度の向上:耐衝撃性や耐水性などの機械的性能を強化。
  • 気密性の向上:表面を密閉することで、液体や空気の侵入を防止。
  • 作業効率の向上:手作業と比べて時間短縮を実現。

後処理を施さない3Dプリント部品は、使用中に劣化する可能性が高まり、製品の寿命が短くなることがあります。部品の劣化を防ぐためにも造形後の表面処理加工をおすすめします。

2.表面処理がもたらす機械的性能の向上

表面処理は、単に見た目をよくするだけではありません。実際には部品の性能にも大きく影響します。

  • 耐衝撃性:表面の滑らかさにより、衝撃への耐性が向上する。
  • 耐水性:表面密閉により、水や液体の侵入を防ぐ。
  • 長寿命化:耐性の改善により、部品の使用期間を延ばす。

これらの特性が必要な部品製造では、適切な後処理が極めて重要となります。

3.表面処理にはどのような方法があるのか

3Dプリント部品の表面処理には、いくつかの方法があります。それぞれの特徴とメリットを以下にまとめました。

1. 研磨 

手作業または電動工具で、部品の表面を削って滑らかにします。

メリット 

  • 身近な道具で実施可能。
  • 材料を削ることで、形状の微調整が可能。

注意点 

  • 時間と労力がかかる。
  • でっぱりやへこみが多い部品は均一な仕上がりが難しい。

2. 化学処理

化学溶剤を使用して樹脂やプラスチック表面を溶かし、滑らかにします。

 メリット

  • 難しい形状でも均一な仕上がりが可能。
  • 高速で効率的な処理。

注意点 

  • 特殊な溶剤が必要で、取り扱いに注意が必要。
  • 適用範囲が限られる場合がある。

3. 塗装やコーティング

部品に塗料やコーティング剤を施し、仕上げる方法。

メリット 

  • 多彩なカラーバリエーションが可能。
  • 防水性や耐久性を向上。

注意点 

  • 下地処理が必要な場合がある。
  • 高額な専用塗料が必要となる場合がある。

4. Vapor Smoothing(べーパースムージング)

蒸発した溶剤を使用し、部品の表面を滑らかにする技術です。また色合いを向上させ、伸び、引っ張り、曲げの性能を高め、 耐久 性を向上させることができます。さらに、表面を完全に密閉するため、気密性・耐水性を高め、空気や液体の侵入を防ぐことを可能にします。

メリット

  • 完全自動化された処理で、一貫した高品質な結果を実現。
  • 表面の密閉性により耐水性や機械的特性を向上。
  • 射出成形品のような外観と質感を得られる。

これらの技術を使用するには専門の機器が必要となります。次に、当技術を搭載している機器をご紹介いたします。

4.Vapor Smoothing技術で表面処理:PostProシリーズ

Vapor Smoothing技術は、AMT社のPostProシリーズに搭載されています。

AMT社のPostProシリーズの特長

  • 部品の性能向上:滑らかな仕上げにより耐水性や強度など機械的性能が向上。
  • 射出成形品のような仕上がり:見た目も触感も均一な製品に。
  • 精密性の維持:寸法精度を損なうことなく滑らかな表面を実現。
  • 環境に優しい溶剤:FDA認証※1 済の溶剤「PostPro Pure」を使用。

※1 日米両国における薬機法や食品衛生法に違反していない適正な商品

活用事例:食品加工用グリッパーの衛生性向上 

背景&課題

Marel社は食品加工機械のメーカーで、長さ40〜50cmのサーモンの半身を扱う新しいグリッパーを必要としていました。そこで、デンマーク工科大学(DTI)と協力し、3Dプリント技術を活用したプロトタイプを作成。食品安全基準を満たしながら、強度や耐久性も確保する必要がありました。

結果

AMT社のVapor Smoothing技術を使用することで、グリッパーの表面が滑らかになり、食品加工に求められる衛生面・耐久性が向上しました。

Vapor Smoothing技術の主なメリット

  • 清掃性の向上:表面が密閉され、食品残渣や細菌が付着しにくい
  • 耐久性の向上:強度が増し、長期間の使用が可能に
  • 食品安全の確保:金属検出可能なナイロンを使用し、異物混入リスクを低減

お客様のコメント

「AMT社のVapor Smoothing技術により、グリッパーの衛生面と耐久性が向上しました。コストを抑えつつ、より高品質な製品を実現できました。」

PostProシリーズの代表的な機器2種をご紹介します。

PostPro SFX

FDA認証済の溶剤「PostPro Pure」を使用する卓上型表面処理装置。最大11Lのコンパクトサイズながら高品質を提供。自動設定機能で迅速かつ簡単な処理が可能で、産業用機械にも最適です。

処理エリア:190 x 320 x 190 mm
導入費用:要問合せ

PostPro SFXの製品詳細はこちら

\消耗品12ヶ月分プレゼント中/

AMT社の卓上型表面処理装置「PostPro SFX」を2025年3月31日(月)までに「PostPro SFX」をお買い上げの方に、12ヶ月分の専用溶剤&フィルターをプレゼントするキャンペーンを開催しております。

‍詳細はこちら

PostPro SF100

3Dプリント部品を射出成形品のように仕上げる表面処理装置。密閉された表面により塗装しやすく、機械的性能を向上。部品処理を自動化することで均一な品質を提供し、大量生産に対応。寸法精度を損なわず、処理時間を大幅に短縮します。

処理エリア:400 x 300 x 400 mm
導入費用:要問合せ

PostPro SFX100の製品詳細はこちら

これらの装置を使用することで、3Dプリント部品の強度を向上させます。

5.まとめ

3Dプリント部品の後処理方法にはさまざまな選択肢がありますが、目的や予算、使用環境に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。特にVapor Smoothing技術のような革新的な技術を利用すれば、短時間で高品質な結果を実現できます。

Vapor Smoothing技術を搭載したAMT社の製品は3DPCで取り扱っています。機器に関するご質問のほか、ご希望の用途や素材に合わせた実際の運用についてもご提案します。お気軽にお問い合わせください。

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