PBF方式(粉末床溶融結合方式)とDED方式(指向性エネルギー堆積法)の用途やメリット、デメリットをご紹介

金属3Dプリンターには、主に4つの代表的な造形方式があります。

今回は、金属3Dプリンターの中でも特に多くの企業から採用されているPBF方式と、DED方式の用途や、どういったメリット、デメリットがあるのか、解説します。

※DED方式には、使用する材料が粉末とワイヤーの2種類ありますが、この記事では弊社取り扱いのワイヤーDED方式金属3Dプリンター「Meltio」を中心に説明します。

1. PBF方式とDED方式とは

PBF方式

PBF方式は、金属3Dプリンターの中でも企業から多く採用されている方式です。

ベースプレート上に金属粉末を敷き詰め、造形する部分に熱源のレーザーやビームを照射し溶融・凝固していくことで、部品や製品を造形します。

複雑な形状を高精度に造形できることから、航空宇宙などで主に使用されています。

DED方式

DED方式は、金属ワイヤーをレーザーで溶かして、ビルドプレートに部品を積層していく方式です。

造形だけでなく、既存部品の補修や、新たに機能を追加させるためのクラッディング(肉盛り加工)なども可能です。

弊社取り扱いのDED方式金属3Dプリンターのご案内:

・Meltio M450

・Meltio M600

・Meltio Engine Robot

2. PBF方式とDED方式の活用例

PBF方式の活用例

複雑な形状やラティス構造を用いた造形を得意としているため、厳しい条件やこれまでの製法では製造できないような形状が求められる、航空宇宙産業にて多く使用されており、実際にジェットエンジンのノズルや、ロケットのエンジン部品が製造されています。

DED方式の活用例

ハウジング部品から、ガスタービン、金型まで様々な用途に対応。

大型部品の造形や補修にも向いていることから、航空宇宙、造船、建築、エネルギー産業などで主に活用されています。

3. PBF方式とDED方式のメリット

PBF方式のメリット

・小~中サイズの複雑な形状や微細な形状を高精度に造形

・ラティス構造※1を用いた造形が可能

・優れた表面仕上げを提供

・多くのメーカーが開発しているため、購入時に選択肢が多い

※1: 幾何学形状が規則的もしくは不規則的に並ぶことで造形物を構成する構造

DED方式のメリット

・造形時間が速い

・材料費が安い

・高密度(99.998%)な造形を実現

・既存部品や製品の補修、クラッディングが可能

・材料が金属ワイヤーなため、取り扱いが容易

・ニアネットシェイプ成形で納期短縮が可能

・材料をほぼ使用できるため、歩留まりが良い

・異種金属接合ができる

4. PBF方式とDED方式のデメリット

PBF方式のデメリット

・金属粉末による粉塵爆発などの危険性がある

・初期費用にお金がかかる

・造形時間が長い

・材料費が高い

・コンタミネーションの予防や洗浄が困難

DED方式のデメリット

・表面が粗い

・造形できる形状が限られる

上記をまとめると、PBF方式は複雑な形状を高精度で造形できる一方で「材料費が高い」「造形時間が長い」「材料の取り扱いに注意しないといけない」「高密度の造形が難しい」「メンテナンスが大変」といったデメリットがあります。

しかし、DED方式は、表面が粗いといった点や、造形できる形状に限りがあるといったデメリットを除けば、材料費を大幅におさえることができ、造形時間もはるかに速いためリードタイムの短縮が可能です。

例として、直径5cmのキューブを造形するのに、PBF方式金属3Dプリンターでは12時間かかりましたが、DED方式金属3Dプリンターでは、たったの1.5時間で造形ができました。

「速いと品質は落ちているんじゃないか?」と思う方もいるかもしれませんが、高密度(99.998%)での造形が可能なため、品質は落ちません。

その他にも、PBF方式と比較すると、DED方式は既存部品や製品の補修、クラッディングができたり、異種金属接合が可能であったりと、多くのメリットがあることがわかりました。

当記事でご紹介したDED方式を直接体感できるイベントを、2024年11月28日(木)に開催いたします!

イベントでは、Meltio社の最新ワイヤーDED方式金属3Dプリンター「Meltio M600」の紹介から、同社の急成長やMeltio技術の優位性、具体的な活用事例を詳しく紹介します。実機および造形品の展示や導入企業からの特別講演もあり、未来の製造技術を間近で体感できる貴重な機会となっておりますので、是非ご参加ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

イベントへ申し込む

5. まとめ:金属3Dプリンターの導入でお困りの方はご相談ください

この記事では、PBF方式とDED方式の違いや活用例、メリット、デメリットをまとめてきました。

実際に、どんな金属3Dプリンターが必要で、どんなことに役立つのか、どんなふうに活用できるのか、わからないという方も多いでしょう。

わたしたち「3D Printing Corporation」は、日本市場におけるMeltio社の金属3Dプリンターの販売を行っているほか、同プリンターを使用した造形サービスも行っております。

また弊社工場見学にて、実機や造形品をご覧になることができます。

お申し込み時にデータをお送りいただけますと、50%オフで見本品の造形を承っております。

ご興味のある方は「工場見学案内ページ」からお気軽にご相談ください。

 

メール経由:info@3dpc.co.jp へ「Meltioに関する問い合わせ」等の旨をご記入の上、お問い合せください。

記事内でもご紹介した金属3Dプリンター「Meltio」は、弊社が運営しているオンラインストアで販売しております。

Meltio詳細情報:Meltio450, Meltio Engine

「好きな場所で、好きな時に、作りたいモノを作れる未来へ」

私たちは、デジタルで既存の製造業のサプライチェーンをかえていくことを目標に、3Dプリントによる技術を活かし、金属・樹脂問わず、設計・開発から、製造、後加工、品質評価まで一貫したサービスを提供しています。また各々の人に適した機器のご紹介、導入、修理、メンテナンスのサポートといった専門的かつ包括的な業務を提供しています。私たちは、3Dプリント技術を活用した内外製品の高付加価値化や、納期の短縮、コスト削減の実現に貢献し、皆さまが必要なものをいつでもどこにいても製造しながら発展していける未来を目指しています。

お問い合わせ

こちらから
お問い合わせ