表面処理装置

May 16, 2025

3Dプリント部品の表面処理機を導入する前に知っておくべきポイント

3Dプリント技術の進化により、複雑な形状や高精度な部品が簡単に製造できるようになりました。しかし、品質や機能性を高めるためには、造形後の「表面処理」が欠かせません。本記事では表面処理機の導入時のメリットや注意点を詳しく解説します.

3Dプリント技術の進化により、複雑な形状や高精度な部品が簡単に製造できるようになりました。しかし、品質や機能性を高めるためには、造形後の「表面処理」が欠かせません。表面処理は、見た目を均一に整えるだけではなく、部品の強度や耐久性を向上させるために重要です。

本記事では、表面処理機の導入を検討している方や機械特性を向上させたいと考えている方に向けて、そのポイントを詳しく解説します。

1.3Dプリント部品の表面処理とは?

「表面処理」とは、3Dプリンターで作られた部品の後処理工程の一つで、部品の表面を滑らかにすることで積層痕を消し、耐久性や外観を改善する作業を指します。これにより、製品は最終用途により適した仕上がりとなり、実際の環境下でも高い性能を発揮します。

表面処理の主な目的:

  • 表面の質感の向上:均一で滑らかな見た目を実現。
  • 強度の向上:引っ張り、曲げ、耐衝撃性を高める。
  • 耐久性の向上:耐水性や気密性を付加することで、実用性を高めます。
  • 機械的性能の改善:後加工による表面および内側の密閉性で、耐久性が向上。

下記の画像はAMT社の表面処理機で加工前後の表面を比較した画像です。

2.表面処理機を導入する6つのメリット

1. 造形物の表面品質向上

表面処理機を使うことで、積層痕を除去し、滑らかな仕上がりになります。
特にFDM(熱溶解積層)やSLS(粉末焼結)方式の3Dプリント部品は表面が粗くなりがちですが、処理後は射出成形品のような滑らかな質感を実現できます。

2. 耐水性・気密性の向上

表面の微細な隙間を埋めることで、水や気体の浸透を防ぐ効果があります。
特に機能部品や密閉性が求められる用途(タンク、流体制御パーツなど)では、気密性の向上が重要になります。

3. 機械的特性の改善

造形物の表面の微細な欠陥を減らし、強度や耐久性を向上させる効果があります。
未処理の部品と比較して、耐摩耗性や衝撃強度が向上し、実用的な機械部品としての適用範囲が広がります。

4. 従来の後処理方法よりも効率的

手作業の研磨やコーティングと比べて作業時間が大幅に短縮されます。
機械で処理するため均一な仕上がりとなり、品質のばらつきも抑えられます。特に、AMT社のPostPro SF100大容量処理が可能で、大量生産向けのワークフローに適しています。

5. 仕上げ後も寸法精度を維持

研磨やコーティングでは、部品の形状が変わるリスクがありますが、表面処理機は寸法精度をほぼ維持しながら仕上げが可能です。
特に、精密部品や嵌合部品(ねじ、ジョイントパーツなど)では、この点が重要になります。

6. 生産工程の自動化・一貫化が可能

AMTのPostProシリーズでは完全自動処理が可能なため、オペレーターの作業負担を減らし、一貫した品質管理がしやすくなるメリットがあります。
また、生産管理システムと連携させることで、大規模な生産ラインにも組み込めます。

3. 表面処理機を導入する際の6つの注意点

1. 処理対象の材料を確認

表面処理機の対応材料が、加工したい材料に適しているか確認する必要があります。

2. 設置スペースの適合性

本体サイズに合った設置スペースか、必要な電源仕様を満たしているか、適切な換気が確保できるか、作業エリアの安全基準を満たしているかなど設置スペースと環境条件の確認が必要となります。

3. 操作・メンテナンスのトレーニング

最新の機械では、ユーザーが細かい設定を手動で行わなくても自動で調整できるようになっていますが、初めて表面処理機を導入する場合は事前に試験運用を行いオペレーターの習熟度を高めることが重要です。3DPCではスムーズに運用開始ができるように、導入サポートとして専門スタッフによるトレーニングをご用意しています。

4. コストとメンテナンス

装置の初期投資だけでなく、稼働中の消耗品やメンテナンスのコストも考慮する必要があります。特に大量生産向けに使用する場合、1回の処理コストが積み重なるため、ROI(投資回収期間)を試算しておくとよいでしょう。

5. 処理目的に応じた選択

処理後の寸法精度を保持する必要がある場合、研磨ではなくVapor Smoothing(べーパースムージング)のように表面の均一化や再分布を行う技術を採用した装置を選ぶ必要があります。

4.今後の表面処理技術の可能性

3Dプリンティング技術の進歩に伴い、表面処理技術もさらに高度化していくことが予想されます。例えば、より多様な材料への対応、さらなる処理速度の向上、新たな後処理技術の開発などが期待されています。これらの進歩により、より短納期かつ高品質な製品を提供できるようになるでしょう。

5.表面処理機の導入を検討しているなら

3DPCではAMT社の表面処理機PostPro SFXPostPro SF100を取り扱っています。AMT社の表面処理機は自動化された簡単な操作で、部品の表面と内部空洞を滑らかかつ密閉し、機械的特性(耐水性、耐衝撃性など)を向上させます。

PostPro SFX

FDA認証済の溶剤「PostPro Pure」を使用する卓上型表面処理装置。最大11Lのコンパクトサイズながら高品質を提供。自動設定機能で迅速かつ簡単な処理が可能で、産業用機械にも最適です。

処理エリア:190 x 320 x 190 mm
導入費用:要問合せ

PostPro SFXの製品詳細はこちら

PostPro SF100

3Dプリント部品を射出成形品のように仕上げる表面処理装置。密閉された表面により塗装しやすく、機械的性能を向上。部品処理を自動化することで均一な品質を提供し、大量生産に対応。寸法精度を損なわず、処理時間を大幅に短縮します。

処理エリア:400 x 300 x 400 mm
導入費用:要問合せ

PostPro SFX100の製品詳細はこちら

これらの装置を使用することで、3Dプリント部品の強度を向上させます。機器に関するご質問のほか、ご希望の用途や素材に合わせた実際の運用についてもご提案します。お気軽にお問い合わせください。

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